経常利益とは|融資のとき金融機関は決算書のどこを見ているか?

さいたま市浦和の資金調達・財務改善サポートセンターです。今回は前回記事の続きです。

まだ前回記事をご覧になられていない方は、まずは以下より前回記事をご覧ください。

損益計算書|融資のとき金融機関は決算書のどこを見ているか?

さいたま市浦和の資金調達・財務改善サポートセンターです。 金融機関で融資を申し込む場合、決算書の提出を求められます。決算書には“貸借対照表”と“損益計算書”が入って…

損益計算書の経常利益とは

前回、金融機関は経常利益を重要視しているというお話をしました。

「経常利益」の意味をご存じでしょうか?少し理屈っぽくなりますが、経常利益とは、読んで字の如く、経常的な利益、すなわち臨時的な利益を除く利益のことです。

当社では財務コンサルタントとして、他の税理士事務所が作成した決算書を見る機会が多いのですが、経常利益の計算を雑に処理している決算書が多く、その決算書では銀行の担当者が困っているケースをよく見ます。

なぜでしょうか?

金融機関があるべき姿の損益計算書にする場合もある

例えば、前期計上もれした外注費が原価に入っていたり、役員や従業員の退職金が販売費および一般管理費に入っていたりして、本来はプラスである筈の経常利益がマイナスになっていたりします。

通常の銀行担当者であれば、預かった会社の決算書の数値を、銀行の審査資料に入力する時にわざわざ正しい数値に入力し直して、正しい損益計算書を作成します。

これを実態PL(損益計算書)といいます。

逆に気の利かない担当者だったり、社長様とコミュニケーションがとれていない担当者だったりすると、決算書が赤字のままで、金融機関や保証協会の審査に進んでいきます。

実は黒字で儲かっているのに、決算書の利益がマイナスになっているので、融資が受け辛くなるということがおきます。

とても残念なことだと思いませんか?適切な融資が受けられるはずなのに、決算書の内容と銀行の担当者によって違いが出てきてしまうのです。

ですので、社長様は決算書を税務署に提出する前に、めくら判を押さずに、しっかり決算書の利益を確認することが大事です。

分からない場合は顧問税理士にきちんと聞いて、説明してもらいましょう。

決算書診断サービス

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投稿者プロフィール

竹内武泰
竹内武泰
1965年東京都生まれ。茨城県で育ち、現在埼玉県さいたま市在住。
獨協大学外国語学部卒業、中央大学大学院経済学研究科前期課程修了、京都大学経営管理大学院上級会計専門(EMBA)プログラム修了。外資系金融機関勤務7年、財務コンサルティング歴17年、税理士業界歴25年。税理士として税理士法人の顧客の税務・経営支援に当たる一方で、財務コンサルティング会社での事業再生と財務支援の経験を生かして、中小企業の経営・ 財務問題に関して年間100件を超える融資相談、銀行対応、及び財務コンサルティングを行っている。